ヘアスタイリストのOkudaです。
今までに接客したお客様は1万人を越えました。
つまり初対面で会話した経験が1万回以上あることになります。
初対面の人と30分以上、プライベートな話をしている事になります。
そのような経験を1万回もすると、否応なくコミュニケーション能力は上達します。
今では初対面の方との会話をプレッシャーに感じる事はあまりないですが、最初から上手く会話ができたわけではありません。
そもそも、幼少期の頃の私は、好奇心は少々ありましたが、基本的には引っ込み思案だったため、自分から進んで話しかけるタイプではありませんでした。
私が理容師なって3日後、予想もしない困難なことが起きました。
突然マスターからの指示でお客様のカットをしろと言われて、ビックリしました。
当然ですが、私まだ、カットする技術を持ち合わせてはいません!
その時に担当したお客様のことを、私は今でもはっきりと覚えています。25歳くらいの食品関係の会社員で無口な大人しい人でした。
私の人生初のカットは、緊張して震える手をなんとかバレないようにと半ば祈りつつ、冷や汗をかきながら、なんとか必死にカットしました。
緊張で言葉がでません。弾んだ会話なんて、そんな余裕など全くないし、当然ですが上手くハサミと櫛が動かせない、しどろもどろ状態でした。
およそ10分くらいカットしたところで、マスターから変われの指示が出て、交代しました。
後ろでマスターのカットを見ながら、頭は真っ白になって、たった10分でヘトヘトになってました。
マスターがカットを終えたので、また交代してシャンプーをして、セットしたりしていたが、その間、何か話をしようと思うけど、最後まで言葉がでなく、沈黙状態のままお帰りになりました。
それが私のはじめてのカットでしたが、とても疲弊しました。精神的に疲れました。
しかし、このように技術もないスタッフにカットさせる店なんて普通ないですよね。(このような行為は理容師法上の問題はありません)
そう思うと、マスターは弟子を育てる事を優先して、習うより慣れろという理念のもと、私に経験を積ませるために、お客様を練習台にさせている。なかなかできることではないと思い、だからとてもありがたいことなんだと感謝しました。
私は、はじめてカットされてもらったお客様のことを考えました。
あの人はオレのことどう思ったのだろう?
「なんでお金払ってる客の俺が、あんな新人の練習台にならなきゃいけないの?あんな店もういかねぇ」とか、オレなら思うよな。
「あの新人の子、カット中何も喋らないし緊張してたし、こっちが気を使うわ!仕方ないけどもう店変えるか」とか、思ったかもしれない。
「おいおい、こんな奴がカットして大丈夫かよ、なんだマスターが最後に仕上げてくれるのか、ホッとしたよ、でも、なら、最初からマスターがカットしてくれたらいいのに、この子、ぜんぜん喋らないし、愛想もないから嫌だな」って絶対思ったはずだ!
もう、あのお客様は再来店しないだろうなと思いました。
オレがカットするとお客が減る→オレにカットさせてもいいと思う客が来なくなる→オレは技術向上できない!
当時の私はここでどうしたらいいのか悩み考えました。
私は誰よりも早く上手にカットができるようになりたいと強く思いました。
自分に望む事がある。それがどんなに困難なことであっても諦められないのであれば、可能にする解決方法を自分で探るしかない。
まず、私は急ピッチでカット技術の向上をはかり練習しました。もちろんすぐに上手くなる魔法のような方法などないですが、私はそれからマスターのカットを食い入るように見て、あたかも自分がカットしているかのようにイメージしました。
次に、改善したのが会話である。
技術の向上には経験と時間が必要だが、会話力は直ぐになんとかなると思いました。
「この兄ちゃん、店に入ったばっかりでカットも下手だけど、感じはいい子だから、また来てやるか」と、思ってもらわなければ、オレのせいでお客様を失客させてしまいます。だから、私はマスターや先輩よりもよく喋りました。気を遣って話す内容を考えて盛り上げて笑いを誘うように努力しました。
このようなきっかけで会話力を必然的に向上させないとならなかったので、毎回毎回、相手を見て分析して情報を採集しながら試行錯誤を繰り返してコミニュケーションをしていきました。
そんなこんなで、今の私は初対面の人との会話をものともせずに誰とでも打ち解け合う自信があります。それは経験値からくる自信です。(極々まれに相性が悪い方がいます。)
そんな私は簡単に会話を弾ませる方法を理解しています。それは!
楽に会話できる方程式を使かう。